ンー、ンー
携帯のバイブが満員電車に響く
限りあるスペースを最大限に利用して携帯をひらいてみると、ちーちゃんからのメール
[インフルエンザにかかっちゃったから休むね〜]
事は重大でも明るく振舞える・・・
まぁ、メールだから嘘ついても顔にでるとかないからね
ちーちゃんは今日、学校を初めて休んだ
いつものメンバーに一つ穴ができた
その穴からは私の潤いが流れていった
学校でも部活でも、私は上の空
ちーちゃんがいない生活なんて考えてなかったなぁー・・・
ンー、ンー
帰宅してから間もなく、携帯がうなる
あゆちゃんからかぁ
[どうしたの??元気なかったみたいだけど・・・]
返す気力もなく、私はベットに倒れこむ
はぁ・・・
私はいつもこうだ
誰かに依存して暮らしている
まだその度合いは低くてもどうなのだろう
人間として、ましてや学生として
もし、もしもちーちゃんが死んでしまったらどうしよう
ふと思いつく
私はどうなってしまうのか
・・・きっと何週間、何ヶ月と抜け殻みたいに暮らしていくんだろう
周りの人はどう思うのか
・・・数日間はすっごいショック受けてるんだろうな〜とか思われて
・・・何週間後には変人扱いされるんだろうな
いつもの3人はどう思うんだろう
・・・どうなんだろう
[ブランコが軋む
この大地は白く輝いて
私はまだ踏めない
僕のとなりに貴方 貴方のとなりに私
2人で一緒にブランコをこいで
いつまでも話をしていたかった
僕は平凡
悩んで苦しんで笑って
死は怖くない
ブランコは廻る 私の横で廻る
僕の苦しみはきっと
貴方の泣いている姿
お願いだからそんな顔しないで
笑った顔が一番かわいい貴方へ]
ハッとすると午前4時
なんだか苦しい夢を見た・・・気がする
今日はいつ?
今日は・・・ちーちゃんがメールをくれた日?
あれ・・・
じゃあ、あれは夢・・・?
目の前にあるのは机とメモ。
そこには時が止まればいいのに、なんて書いてなくて
月でブランコをこぐ2匹のウサギが書いてある
えっ・・・?
何、何が起きてるの?
携帯をひっつかみ、メールを見てみる
ちーちゃんからも、あゆちゃんからもメールはない
携帯の日付もちーちゃんが休んだはずの日
ちーちゃんが休んだのは・・・夢、なの?
頭が混乱している。パニックになっている。
落ち着いて考えてみよう・・・やっぱりあれは夢だ、きっと。
だってメールが残ってない。よかったぁ・・・
でも考えてみれば
ちーちゃんはいつだって居なくなる
クラス替えだってあるし、部活もいつまでもできない
そうなったら私は・・・?
「だから今、思い出を作るんじゃないのか?」
山間君はこう言った
「楽器を通して、離れても悲しくならないような思い出をね」
「思い出・・・」
「そ。まぁー、笛吹の場合は楽器が声だから実感ないだろうけど、みんなで演奏して、それぞれの楽器に思い出を吹き込む」
「そうすれば悲しくないものなの?」
「ちょっとは悲しいかもしれないけど、俺だったらスティック見て、あいつらとやったバンドは最高だったなぁ、っていつも思い返して笑ってると思う」
「そっか・・・ありがと」
「どういたしまして」
普段
これが私の思い出
青春と変換できるこの普段
何気ないことを思い出して、私は笑っているのだろう・・・いつか近い未来に